そして…
この場からいち早く逃げ去ろうとするあたしたちに。
「…あのっ!すみません!
一ノ瀬優さんですよねっ?」
あたしたちが逃げられないようにと、周り込み、道を立ちはだかろうとする数人の女の子たち…。
「あたしっ!
前からずっと大ファンなんですっ!
握手してもらえませんかっ?」
そう言って、目をハートにさせながら、頬を真っ赤に染めている女の子。
気付けば…
あたしたちを取り囲むギャラリーまで出来てしまっていて…。
まわりからは女の子の黄色い歓声が上がり。
こちらに携帯やカメラを向けながら、無我夢中に撮影をしてくるたくさんの人達…。
「―…………」
どうしよう…!?
この状況…
かなりマズイよね…!?
チラッと優の顔を見上げると。
優も困惑しているようだった。
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