トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜


「ところで…
今、どこ向かってるの?」



今日は優の久しぶりのオフで。

少しでも長く一緒にいられるようにと、優は朝からあたしを迎えに来てくれたんだけれど…。


行き先や今日の予定は何も聞いていなかった…。



「…え?そうだな〜、楽しいところ…かな♪」


そう言って一瞬こちらを見ると、ニヤッと笑い、また視線を真っ直ぐに戻す優。



「楽しいところ?
…って?
もうちょっとヒントちょ〜だい?」



「ん〜、ヒントかぁ…。
俺が前から美衣と行きたかったところでー。
人がいっぱいいて賑やかでー。
美衣の好きなキャラクターがいっぱいいてー。
その場所にいると、時間も嫌なことも忘れられてー。
夢を見せてくれるところ…かなっ?

…って、ここまで言ったら、さすがに鈍感な美衣ちゃんでもわかっちゃうか♪」

なんて、優はすごく楽しそうに笑っている。




「ちょっと優〜!
あたしより鈍感な人に、鈍感だなんて言われたくないんですけどーっ!」



「うわっ!叩くなって!危ねーだろっ!?」



「あっ!ごめん…!」


あたしは、思わず優の左腕を叩いてしまっていた手を引っ込めた。




「まっ、楽しみにしといてよ♪」


「うん…」




優は…

前にあたしが漏らした言葉を覚えていてくれて…。

その場所に連れて行ってくれるつもりなんだと、すぐにピンときた―…。



優のその気持ちは
すっごいすっごい嬉しい…。



だけど…

あんな人で溢れかえってるような場所に行っても…

大丈夫なのかな…?




あたしは目的地に到着するまでの間…

そんな不安を抱き、拭い去れずにいた…。







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