車は走り出し、窓から流れる景色を眺めていると…。
街中は赤と緑を基調とした装飾で施されていて、寒々しい木々たちは、綺麗に電飾され、ところどころに飾られているクリスマスツリーやリースがやたらと目につく…。
「そっか…。
もうすぐクリスマスだもんね…。」
あたしは独り言のように、ボソッと呟いた。
「おう!
美衣はクリスマスプレゼント、何か欲しいものとかある?」
欲しいもの…?
「そうだなぁ…
ひとつだけ…あるかな?」
「おっ!なにが欲しいの?」
「…うん……」
「なんだよ?遠慮しなくていいから言ってみ?」
欲しいものっていうより…。
我が儘なお願いなんだけど…。
「…クリスマスは…優に傍にいて欲しい…。」
なんて、自分で言っておきながら、急に恥ずかしくなってしまったあたしは。
顔に熱が集まってきてしまいそうだ…。
「ははっ」
―…えっ?
優に…笑われたっ!?
「それ"モノ"じゃねーじゃん!
それに…、
俺は最初からそのつもりでいたけど?」
「…え?」
「イヴの夜は、仕事空けてあるから。
だから、一緒に過ごそうなっ!」
―……………!!
……優…。
「うんっ!!」
今年のクリスマスは
優と過ごせる――…。
あたしにとっては
それが何よりもの
最高なプレゼントだよ――!
あたしは自然と笑顔がこぼれ落ちて、幸せな気持ちが胸いっぱいに広がっていった―…。
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