シーンと静まり返る、誰もいないリビングは…。

いつものように、キチンと片付けられていて。


芽衣が買ったと思われる、ファッション雑誌だけが、無造作にテーブルの上に置かれていた。


「…まったく芽衣ってば、読んだら読みっぱなしで片付けないんだから…」


あたしは独り言のようにブツブツと呟きながらも、無意識の内に、その雑誌をパラパラとめくっていると…。




「…あ……」

思わず小さな声が洩れてしまった…。



あたしが目にしたものとは…



抱きしめたら折れちゃいそうなくらい、華奢なラインをしたお人形さんみたいに可愛いモデルの女の子と。
真っ白な歯を見せながら優しく微笑む優が。

互いの顔を見つめ合いながら、冬の浜辺を手を繋ぎながら散歩している写真だった…。




「―…………」



ズキンッと痛み出す胸は…

体の中心を鷲掴みされたように、ギューッと苦しくなって…。



どうしようもなく切ない気持ちが、あたしに襲い掛かってくる―…。





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