「…でも、高校生活しょっぱなから、男絡みで友達と揉めて、やっていきずらくなるのもヤダったし…。
今ならまだ忘れられる…
そう自分に言い聞かせて、優のことは諦めようと思った…。
優を忘れるために、コクってきた男と付き合ってみたりもしたけど…。
でもやっぱり、優よりいい男なんていなくて…。
誰と付き合ったって、優と比べちゃうだけで…。
忘れられるどころか、想いは強くなるばかりで、ますます辛くなっていく一方だった…。
なにより、優とは同じグループだし、嫌でも毎日顔を合わなきゃいけないわけで…。
そのたびにドキドキしちゃってる自分がいてさ…。
忘れたいのに…
諦めたいのに…
どんどん好きになってくばっかりで…。
いっそのこと、もう自分の気持ちを伝えちゃおうかなって思ってた矢先…
美衣から『優と付き合うことになった』って聞かされて…。
もうね、笑うしかなかったよ。
あまりのショックで、食事も喉通らなくなっちゃうしさぁ…。」
「―…………」
あたしや優が知らないところで…。
紗菜に、そんな辛い想いをさせてしまっていたなんて…。
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