「入学式で優の姿を見付けた時は、あまりの嬉しさに泣きそうになって…。
同じクラスだって解った瞬間は、これはもう運命でしょって、そう思った。
"これからは毎日会える…"
そう思ったら、これからの高校生活がすっごい楽しみになって…。
同じクラスに優と同じ中学だった子がいるって知って、優に少しでも近付きたかった紗菜は、その子に近付いた。
それが奈津だった…。
奈津には、すでに仲良くなってた凛と美衣がいたから、とりあえずふたりとも仲良くしとかなくちゃって…。」
うそ…でしょ…?
すべては優に近付くための、計算された行動だったってこと…?
そのために奈津を利用しようと近付いて…
あたしたちとも仲良しを装っていたってこと…!?
いくら優を好きだからって…
優に近づきたかったからって…
そんなの、あんまりだよ…。
あたしだけじゃない…。
もし、そんなことを奈津や凛が知ったら…
絶対に悲しむよ―…。
あたしの瞳には
再び涙が滲んでくる…。
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