「美〜衣っ!!」


―……………!!!



突然、背後からあたしの名前を呼ばれて…。



その声に、あたしの体はビクンッと跳ね上がった―…。



呼ばれた方へと、恐る恐る振り返れば…。



バッチリとアイラインが引かれた、大きな瞳と目が合って…。



…その瞬間―…


体中の血液がドクドクと脈を打ち、体がみるみるうちに強張っていくのが、自分でもわかった…。




言葉が…


あまりの緊張のせいで…
出てこない…。






綺麗に巻かれた髪をなびかせながら。

ヒールの高いパンプスを履く、その細く長い足は、カツカツと音を鳴らしながら、こちらへと一歩一歩、近づいてくる―…。





さらに加速する胸の鼓動…。




あたし…

こんなんでちゃんと話せるかな…。




不安な気持ちで、どんどん覆われていく―…。






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