トップ★シークレット〜あたしの彼氏は芸能人〜


「…だけど、

優はあなたと真剣に付き合っているようだし…。

別れてほしいとは言わないよ…。」






―……え?



それは予想外の言葉で。

驚いたあたしは、藤堂社長の顔を見上げた。



だってあたしはてっきり…



"別れてほしい"

そう言われるとばかり、思っていたから…。




『よかった…』

そう安堵したのもつかの間…。





「しかし…、
白崎聖花とのこともあるし、尚更、あなたと優のことがマスコミにすっぱ抜かれてしまうと困るんだ…。

だから今まで以上に、この秘密がバレることのないよう、十分に気をつけて行動してもらいたい。
約束してもらえるね?」



「…はい」

「…わかってます」



あたしと優は、社長と固い約束を交わした。




「それなら、話はそれだけだ。

立花さんでしたっけ?
わざわざこんなところまで来ていただいて、すみませんでしたね。」



「…い、いえ…」



「でもお会いできてよかった。
もしあなたと直接会ってなければ、頭ごなしに『別れろ』と、そう言ってしまうところだった。」



「…え…?」





それって…




「…それじゃ私は次の仕事があるので、このへんで失礼するよ。」


そう言って、藤堂社長は席を立った。





社長は
あたしたちのことを




認めてくれた――…



そういうことだよね…!?




「あのっ…!!」

あたしは咄嗟に、大きな声で社長を呼び止めていた…。


その声に社長が振り向き、あたしを見ている。



「ありがとうございますっ!!」

あたしは社長に向かって、深々と頭を下げた。



そんなあたしに
一瞬だけ微笑んでくれると。


「今度は食事でもしながら、ゆっくりお話しましょう。それでは」


そう言って、あたしたちの前から立ち去って行った。



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