「優から、あなたのことは聞きました。
私も時間があまりないものでね…
さっそく本題に入らせてもらいますが…」
「…はい…」
脈拍はどんどん加速するばかりで。
ドクドクと脈打っている…。
一体これから…
何を言われるのだろう…。
今にも、口から心臓が飛び出してしまいそうだよ…。
「…優は今、
今後の俳優業を左右する、大事な売り出し期間なんだよ。」
「…はい…」
「この業界はね、くだらないスキャンダル一つで、命取りになってしまうことだってあるんだよ。
優のファンの年齢層は幅広いが、中高生が圧倒的に多い。
人気女優と噂になるならともかく。
一般人の彼女がいるなんてことが公になれば、優の人気が一気に落ちることだって十分に考えられる。」
「…はい…」
やっぱり社長は…
あたしたちの交際を
反対しているのかな…。
不安の波が押し寄せて、どこかへとさらわれてしまいそうだよ…。
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