「すぐに社長が参りますので、お掛けになってお待ちください。」
その女性は、あたしたちに向かって、軽く頭を下げると、部屋から出て行った…。
「今のは、社長の秘書の如月さんね。
とりあえず、座ろうぜ。」
「うん…」
緊張のあまり、全身がカチンコチンに固まってしまっているあたしに、優は優しい笑顔を向けてくれた…。
あたしは軽く深呼吸をしてから、いかにも高級そうな、黒いレザーのソファーにゆっくりと腰をおろす…。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。」
優はそう言ってくれるけれど…。
いざ社長に会って。
そして、どんなことを言われるのかと思ったら…。
怖くて 怖くて
体が小刻みに震えていく…。
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