「美衣…」 その甘い声で、名前を呼ばれたら。 なんだか自分の名前さえも、愛おしく思えてきてしまって…。 その潤んだ、大きな瞳で見つめらるだけで。 とろけてしまいそうになる…。 そして、その整った綺麗な顔を近付けられれば。 頬は勝手に熱を帯びて、赤く染まっていってしまうんだ…。 そっと瞼を閉じると 唇には 甘いキス――…。 その瞬間―― まるで、魔法にでもかけられたように 会えない間に抱いた不安も…。 会えなかった寂しさも…。 泡のように消えていった――…。 .