「とりあえず、乗って」 そう言うと、優は呆然と立ちすくむあたしの手を取り、引き寄せた。 優に触れられた手は熱を持ち、ドクドクと波打っている―…。 そして、あたしが優の隣に乗り込むと。 「長井さん、悪いんですけど… 少しだけふたりにしてもらえませんか?」 と、優が運転席に向かって話かけた。 「わかりました…。 じゃあ、そこのスーパーの立体駐車場に、車停めますね。」 「わがまま言ってすみません」 「いや、いいですよ。 まだ時間もありますし」 そして車は動きだした―…。 .