あたしは自宅を出て、道路に出ると、左右を見渡した。 「黒い車…黒い車…」 すると… 向かい側の道路に路駐している、一台の黒い車を見付けた。 『…もしかして、あれかな…?』 そう思っただけで、ますます緊張感は高鳴っていく―…。 その車に一歩一歩近づくたびに、ドクドクと大きく揺れる心臓――…。 そして… 車のすぐ近くまで、たどり着くと… 運転席のドアが、ゆっくりと開いた…。 .