そして今日も

撮影の休憩中に、優から電話がかかってきた。



「…ねぇ優、体調崩してない?
優のブログの写メ見たけど、また少し痩せちゃった気がするよ…?」


「そうかな…?
でも確かに、痩せたかもな…。
ちゃんと食べてるんだけどなぁ…。」


「…優は、疲れるとすぐ顔から痩せていくから…心配だよ…。」



「心配してくれて、ありがとな。
でも、俺はこうやって美衣と話してるだけで、元気もらってるからだいじょーぶ」

なんて、優は弱々しく笑っている…。





「心配すんなって!
こう見えても、俺体力には自信あるし!
それに、俳優はタフじゃなきゃ勤まんないからなっ!」



……優…。


「あたしの前だけでは、強がらなくていいんだよ?
疲れたら疲れた…って、言っていいんだからね?
弱音吐いたっていいんだから…。」



優はいつだって
ひとりで頑張りすぎちゃうんだもん…。





「ありがとな…。

なぁ…美衣…」



「なに…?」







「…俺…

今、美衣に…

すげー会いてぇーよ……」




―…優…。






その言葉を聞いたら…




目頭が熱くなって。
鼻の奥がツンと痛くなった…。




「あたしも、優に会いたい…。

…会いたいよぉ…。」




―…ダメだ…。


なんかあたし、泣いちゃいそう…。




だけど…、
寂しくて辛いのは
あたしだけじゃないんだから…。


だから、泣いたりなんかしたらダメ…。



あたしは、今にも溢れ出しそうな涙を、必死にこらえた…。



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