「バカ智の大バカ。遅すぎだよ。


何でもっと早く会いに来てくれないの?


もっと早く迎えに来てほしかった。」



え、もう遅いって事?



もう新しい彼氏と結婚?



『美沙子それってもう無理って事?


俺たちもうやり直せないって事?』



美沙子さんが泣き出した。


亜沙美ちゃんが美沙子さんの涙を拭いてあげてる。



『美沙子彼氏と結婚するのか?』



結婚しちゃうの?



「智のバカ。離婚もしてないのに結婚なんて出来ないでしょ。」



「あ、そうだよ。俺離婚用紙出してないもんな。」



もう何この転回。



『美沙子の彼氏今日は?』


「彼氏なんか最初からいない。


彼氏いるなんて嘘。


たけど、そうでも言わないと私悔しくて仕方なかった。


私は智が好きなの。


智が私を幸せにしてくれるんでしょ?


だったらもっと早く迎えに来てほしかったな。


待ちくだびれた。


でも亜沙美と会えたから嬉しい。」



美沙子さんの気持ちが痛いほど分かった。