廉人が私と繋いでた手を離し病室へ入って行く。




「パパのバカママ泣かせて。僕パパなんか嫌いだ。


いつもいつもお仕事忙しいって言って、


ママと僕だけにして、


ママお熱あっても僕お風呂に入れてくれた。


パパ、医者の癖してママの病気も分からないなんて最低。


パパなんて、」




「廉人もういいから。」




『ごめん廉人。廉人、パパ変わるから、これからはママの事大切にする。


仕事休みの時は家事も手伝う。


休みには家族で出掛けるようにする。


廉人パパを許してほしい。

パパにはママしかいないんだ。


パパはママと廉人と生まれて来る赤ちゃんと幸せになりたい。


だから廉人、廉人のパパでいさせて。」




「ママ、パパこう言ってるけどどうする? 」



私は病室の中から聞こえる、廉人の大人顔負けのセリフに笑えた。



彩夏が、「華いるの? 」



私の笑い声聞こえちゃった。