―――――…… 「未来っ!」 少し遠くから名前を呼ばれて、振り返る。 少し息を切らして改札から出てきた彼女は、顔の前でパシッと手を合わせた。 「おはよ、悠里(ユウリ)」 「ごめん!遅くなった」 「別にいいよ」 「コレが上手く出来なくてさぁー」 そう言って首もとのネクタイを指しながら笑う彼女は、中学で一緒にいた“仲良しグループ”の一人。