『勇輝、足どうしたの?引きずってるじゃない?』


洋子さんのテーブルに就いて開口一番がこの言葉。


さすが看護師、よく見ているよ…。


「ちょっとぶつけちゃいまして…」


洋子さんは呆れた顔をして、


『ドジねぇ!ぶつけるなんて…あんたのことだから、昨夜、野島を襲って蹴られたのかと思ったわよ』


ドキッ!


す、鋭い…。


洋子さんのパターンだと、この後根掘り葉掘り聞いてくるだろうから、ボロが出る可能性大だ。


話題を逸らさないと…




「そ、そんなわけないじゃないですか…

具合の悪い女性を襲うほど女に不自由してませんから。

それより何で昨日、俺に野島さん送らせたんですか?」