閉店後、


『お疲れ様でした』

「お疲れ!」


今日はアフターもないから早く帰って寝るとするかな…


でも、優季のことが気になる。


行くべきか、どうしようか…


私服に着替えながら考える。


チャリ…


ジーンズのポケットに何か入ってる。


「あっ、いっけねぇ!」


優季の部屋の鍵を持ってきちまった。


届けるしかないよな…


婚約者の存在を知って、あきらめようかと思っていた。


でも、


『あきらめるな!』


そう言われているみたいで、俺の心をもう一度奮い立たせてくれた。


店を出てタクシーを拾う。


行く先は、


そう…


「優季…」