部屋の前に着くと、優季を下ろし、 「鍵…出して!」 でも、優季は首を振って、 『鍵くらい…開けられます…』 力なく言うと、バッグから鍵を出したのだが、 ガチャン! 落としてるしーーー! ったくーーー! 「俺がやる!」 鍵を拾い、ドアを開けた。 ふらふらと足元がおぼつかない優季を黙って見ていられず、 「悪い、中に入らせてもらうぞ!」 体を支えて部屋の奥に入って行った。