『痛ってーな!何すんだよ!
ホストの顔殴るなんて、てめえ、いい度胸してるじゃねぇか!』
永瀬さんが私を睨み付ける。
でも、私だって負けない。
「アルコールの許容量には個人差があるって知らないの?
あなたは良平くんが飲めないのわかって無理やり飲ませたんでしょ?
もしも、良平くんが急性アルコール中毒で死んでたら、飲ませたあなたが殺人犯で逮捕されてたんだよ!」
もう、本当に許せない!
『透!あんた自分トコのホストにどんな教育してるのよ?
こんなことになって情けないと思わないの?』
洋子主任は、極妻も真っ青のドスのきいた低音で、オーナーのネクタイを掴むと、グイッと引き寄せた。