ダン!
突然、大きな音がした。
「お前、何やってんだよ!」
優季が生地の入ったケーキ型を落とした。
それも故意に。
幸い、中身は無事だったから良かったけど。
『これはね、焼き縮みを防ぐためにわざと落としたの。やらないと、へこんじゃうから…覚えておいてね。』
優季はそう言うと、ケーキを型から外すと、生地を逆さにしてケーキクーラーに乗せると、その上に濡れ布巾を被せた。
『生地を冷まさないとデコレーションできないから…冷ましている間にお昼ご飯食べちゃお!チャーハンでいいよね?』
優季は有無を言わせないまま、チャーハンの準備にとりかかる。


