いやぁ、俺、そんなに褒められるようなことはしてないんだけど…
「それ訂正させて…
俺、家族いないって言ったけど…勘当されたんだ…」
優季の眉毛がぴくん!と動いた。
アイツのことだ、絶対理由を追及して、『何でそうなるのよ、バカじゃないの?』なんてキツーい一言を落としてくる。
『そうだったんだ…』
優季は淡々とした表情でそう言うと、深くは追求してこなかった。
あれ?
優季のあまりにも淡白な反応に俺は拍子抜けした。
「何で勘当されたのか、聞かないのか……?」
優季はさっきと同じ淡々とした表情のまま、
『勘当されるって、勇輝とご両親の間で譲れない何かがあったということでしょ?
そんなデリケートな部分に土足で入り込んで、根掘り葉掘り聞くつもりはないわ。』


