優季はほんの一瞬寂しそうな顔を見せたが、すぐ笑顔になって、
『今は会えなくても、いつかお母さんに会ったら絶対に返そうって決めたの。
今までの感謝の気持ちと一緒にね。』
ドキン!
優季の笑顔に俺の心臓は暴走し始めた。
母親と生き別れ、父親と婚約者を亡くし、ハードな人生を送っているというのに、真っ直ぐで純粋な心を持った優季が俺には眩しかった。
「お前って、すごいな…
俺なんて、まだまだ甘いよ…」
俺の言葉に優季は、
『はぁ???ちょっと何言ってるのよ!!!
家族がいないのに、ひとりで頑張ってホストやりながら大学院に通ってるのは誰?
勇輝みたいに仕事と学業を両立してるなんて、私にはできないもん。』


