『勇輝はさ、私がお母さんと20年も会ってないのに、どうして生きているってわかるのか…知りたいんでしょ?』 洗い物を終えた優季が、エプロンで手を拭きながら、ベッドルームに行くと、1通の封書を持って戻ってきた。 『お父さんが亡くなって、遺品を整理していたら、これを見つけたの。』 封書の中から取り出したのは、 優季名義の預金通帳だった。