永瀬さんはさすがNo.1、時折指名客のところに顔を出しに他のテーブルへ行く。
華やかな世界で生き生きとした表情で、入院していた時とは別人のよう。
あっ!ダメダメッ!
お酒飲んだりしちゃ!!!
『お待たせしました…』
しばらくして、永瀬さんがが戻って来た。
「永瀬さん、まだ退院して1週間でしょ?
アルコールは先生の許可が出るまでは飲んじゃダメですよ。」
それまで和気あいあいとしていた雰囲気が、一瞬にして気まずい空気に変わるのを肌で感じた。
『もぉぉぉ!!!野島!
あんた空気読みなさいよね!
ここはホストクラブだよ!お酒飲まないホストがどこにいるのさ!
あーあ、もう白けちゃったじゃない…』
洋子主任は呆れた顔をして私を見た。


