「今日はパス!
ゆっくり料理が出てくるのを待ってる余裕なんてないから。
ホントにお腹が空いて倒れそうなんだもん…」
勇輝はフッと笑うと、
『初めてだよ、お前みたいな奴。同伴でラーメン屋なんて前代未聞だよ。
わかった、最高に美味いラーメン食わしてやる!行くぞ!』
勇輝は私の手を取ると病院の外に向かって歩き出した。
私の意識は繋がれた手に集中してしまい、勇輝との会話も話したことすら頭に入ってこなかった。
勇輝の言った通り、連れて行ってくれたラーメン屋さんは、今まで食べた中で、1、2を争うくらい美味しくて、
お店のご主人が、
『こんなに食べる女性客は初めてだ…。』
と、驚くくらい堪能した。
だって、何度も言うようだけど、お腹が空いてたんだもん…。


