「はい、採血しますよー!」

彼の威圧的な態度に臆することなく、手際よく駆血帯を腕に巻いた。

「親指を中に入れて握ってください。チクッとしますよー!」

そう言うと、彼の腕に注射針を突き立てた。


『オイッ!痛ぇーだろうが!俺を殺す気かよ!』

初療室に彼の怒鳴り声が響きわたった。

「暴れないで!動くともっと痛いですよ!誰かー!押さえてー!」

『やめろー!離せ!!離せよ!!!』


看護師3人がかりで押さえつけ、やっと採血を済ませた。