『すみません…どこの病院も郊外のマンション建設現場の事故で、いっぱいいっぱいみたいなんですけど…』
救急隊員の途方にくれた声が聞こえた。
このままでは、母子共に危険だ…
今のところ出血もしていないから、私でも取り上げられるかもしれない。
ううん、私が取り上げる!!!
「わかりました、桜ヶ丘に搬送してください。赤ちゃんは私が取り上げますから。」
救急車に乗り込むと、
『御主人も早く乗って!!!』
勇輝も急き立てられるように救急車に乗せられてしまった。
『俺、違うのに…』
困惑する勇輝だったけれど、勇輝が一緒にいてくれて、とても心強かった。
勇輝が私に自信を与えてくれる…そんな気がした。


