真人は何かを考えるように天井を見上げた。 何か迷っているようにも見える… どうしたのかな? 『優季…』 真人は真剣な表情で、私を見つめると、 『俺、不器用だから気の利いたこと言えなくて… アメリカから帰って来たら…俺と… その… 結婚してくれないか?』 スラックスのポケットからビロードの小さな箱を取り出し、私の手に乗せた。 えっ… 予想外の展開に、ただただ驚くばかりで、真人に向かって目を大きく見開いていた。