やっぱり私、先生のことが好き… このままふたりで桜を見ていたい… 心からそう思った。 でも、ゆっくりゆっくり歩いたつもりが、桜並木も終点まで来てしまった。 折り返したらまた病院に逆戻りだし…。 『野島、近くに穴場の桜スポットがあるんだけど、付き合わない?』 先生に誘われ、私に断る理由なんて何もなかった。 ううん、そんなつもりは全くなかった。 「はい、お供させてください」 先生は私の手を握ると、ゆっくり歩き出した。