「洋子先輩、もし振られたら、慰めてくださいね」
私が言うと、
『ううん、絶対に慰めない。
アンタが振られたら、今度こそ田上先生、押し倒しに行く!』
なんて言って拳を握りしめる先輩が、何だかとてもおかしくて、
おかしいのに、涙が溢れてくる…
「先輩、ごめんなさい…」
先輩は、泣きじゃくる私の頭をくしゃっと撫でると、
『泣くのは振られてからよ。その時は美也子と失恋パーティーしてやるから…
でも、私達が酔い潰れたら、アンタが介抱するんだよ、いつものことだけどね』
そう言って、おどける洋子先輩は本当に大人で、今の私では到底敵わない存在だということがよくわかった。
でも、
洋子先輩に出会えて良かった…心からそう思った。


