私だったら絶対泣いてしまいそうなことを、洋子先輩は笑顔でさらっと言ってしまう。
私なんかよりずっと大人で、強い人…
でも、そんな人ほど本当は弱くて、そういう面を誰にも見せようとはしない。
恋に破れても凛としているところは、大人としての彼女のプライド…
『先輩命令!!!
野島、田上先生に自分の気持ちをきちんと伝えること。
明日から1週間、アメリカ出張って言ってたから、その後になるけどね。
もし、言わなかったら…』
「言わなかったら?」
私の問いに不気味な笑みを浮かべ、言い放った。
『救命救急センターに引き抜く!!!!』


