先生の腕の中にいるなんて夢のよう… このまま体を預けてしまえたら、どんなに心地いいだろう。 どんなに… でも、 私の目に飛び込んで来た昨日と同じスーツとネクタイは、熱い想いを急激に冷ましていく。 ううん、冷まさなければならないと思った。 私は先生から体を離した。 『どうした?』 心配そうに、私の顔を覗き込む先生に私は言った。 「先生、私をからかうの…やめてもらえませんか…?」 だって、先生の隣にいるのは、私じゃなくて、本当は洋子先輩… 洋子先輩なんだから…