先生は苦笑すると、 『好きな人は、いないの?』 ドキッ! さすがに本人を目の前にしては言いにくい…。 「いますけど…内緒です! 先生、これ以上聞いたらセクハラですよ。 やだっ!もう5時半過ぎてる!!! 早く片付けて帰らないと、主任に怒られちゃう!!!!」 私が仕事に戻ろうとすると、 『待ってくれ!お前に話がある』 私の腕を掴んだ先生の表情は、いつになく真剣で、どことなく寂しげで、目を逸らすことができなかった。