笠間さんを分娩台に乗せ、分娩に必要な処置を施すと、お腹に分娩監視装置を装着する。 『クッ…ウッ…』 苦痛に顔を歪ませる笠間さん。 早く産ませて楽にさせてあげたい。 『笠間さーん、あと少しだから…そうだな、20回くらいいきんだら生まれちゃうよ!』 田上先生が分娩室に入って来た。 産婦人科には、田上先生の他に5人の医師がいる。 生意気なことを言ってしまうけれど、私は田上先生の介助が、一番自分らしく仕事ができるような気がする。 もちろん恋愛感情は抜いてのこと。