ナースステーションに戻ると、 『野島さん、陣痛室の笠間さん、そろそろ分娩室に入るから…田上先生のサポートお願いね』 師長の指示に、胸の奥がズキン!と痛んだ。 「はい…」 仕事に私情は禁物。 医療ミスなんてしたら、取り返しのつかないことになる。 私はプロの看護師であり、助産師なんだから… 仕事はきっちりやって当たり前! パンッ! 両手で頬を叩き、気合いを入れた。 「よしっ!」 ダッシュで分娩室に向かった。