ゆっくり目を開けると、 『あ、永瀬さん、気がつきました?』 ゲッ! 意識が戻って一番初めに見たのが、あの優季とは… 最悪なんてもんじゃない。 でも、手術前の厳しい表情とは対照的な穏やかで優しい笑顔。 それに… 「おい…いつまで俺の手を握ってんだよ!」 あいつ…ずっと俺の手を… あいつは静かに俺の手を置くと、 『良かったわ、元気そうで…今、先生呼んできますからね。』 笑顔で言うと、ICUを出て行った。