ドキッ!
不覚にも心臓が跳ね上がった。
歯の浮くようなセリフをサラッと言ってのけたけど、
彼は嘘はついていない。
私を見つめる真剣な眼差しがそれを物語っていた。
でも…
私は…
「ごめんなさい…私には…『婚約者がいるからダメだって言いたいんだろ?
わかってる、だから困らせたりはしない』
いや、もう困ってますけど…
「それに、私を呼び捨てするの…やめてください。
私の方が年上なんだし…」
これだけはやめて欲しい。
『だったら、優季お姉様と呼ばせてもらおうかな!?
あ、俺は勇輝で全然構わないから…』


