『あわてて荷造りしたから、どこに入っているのかわからなくなっちゃって…』 いつものホストモードとは違う爽やかな笑顔。 これがあいつの素の部分? 「返さなくていいから…」 ドアを閉めようとすると、 『おっ、今夜はカレー?美味そうな匂い…』 ギュルルル… あいつのお腹が鳴った。 『勇輝さーん!何か食べるもの買って来ますかぁ?』 良平くんがドアから顔を覗かせる。 『じゃ、コンビニで何か適当に買って来い!』 あいつは財布から1万円札を出した。