あぁ…


あのモノクロの超音波写真は赤ちゃんの遺影…


思わず天を仰いだ。


痛いくらいに胸が締め付けられ、涙が止めどなく溢れ出てくる。


神様は何故彼女に辛い試練ばかりを与えるのだろう……?


彼女がいったい何をしたというのだ……?


『あの時もっと早く私が駆けつけていたら、あの子は流産することなんてなかったの!!!!

なのにあの子、何て言ったと思う?「洋子先輩じゃなくて、私で良かった…」って、言ったのよ…

一番辛いのは自分なのに…

わかったでしょ?勇輝、

だからこそ、あの子には幸せになって欲しいの…』


洋子さんは振り絞るように言うと、号泣した。


『洋子…もういい…帰ろう…勇輝、悪いな…』


オーナーは、泣きじゃくる洋子さんを抱きかかえ、スタッフルームを後にした。



ひとり残った俺は優季の背負っているものがとてつもなく大きく、重いものであることを嫌というほど思い知らされた。



優季…


俺は決めた。


優季の心からの笑顔を俺が取り戻す。


悲しみは優季ひとりに背負い込ませはしない…


だから俺はひとつの行動に出た。