オーナーは洋子さんの隣に座ると、 『さっきから話を聞いてると、野島さんの話というより、洋子の失恋話が中心になっているような気がしてならないんだけど… そろそろ本題に入ったらどうだ?辛いのはわかるけど、話さなければならないんだろ?』 そう言い、洋子さんの手を握りしめた。 恐らくオーナーは、洋子さんが何を話そうとしているのかわかっている。 だからこそ俺に優季のことはあきらめた方がいいと言ったのだろう。 『うん、わかった…きちんと話す』 洋子さんは、目を閉じてゆっくりと深呼吸をした。