止まった針を動かして、私は時の狭間で想いを綴る。

紙飛行機、ユラユラそのものを揺らす。

空気は薄くても、風があれば大丈夫。
きっと貴方の元へと届けるよ。

歩くより早くて、走るよりは遅い。
私は冷たいタオルを持ってゆく。

『応援よろしくな』

今日は違う人のために。


 HONEY HUNTER
  高いハードル


「ねぇねぇ、蜜さんの初恋の人って誰っすか?」

ただいま昼休み、屋上でたまにはランチをしたいお年頃なのです。
隣には世事くんと黒名。

そして、急に初恋の相手を聞かれる私。

「げ、ゲホッ!!は、初恋っ!?///」

「はいっ!ちなみに俺は蜜さんです♪」

「っ!??!?!///」

「ちょっと世事止めなよ、ただでさえ男の免疫少ない蜜なんだから」

「(く、黒名・・・)」

「す、すいませんっ」

「い、いえいえ・・・私の初恋相手?」

「はいっ!ちょっと気になって!」

は、初恋かぁ・・・

初恋っていつだろう。
ていうか昔の記憶って家族の事ばっかりだなぁ。
あ、あと稽古と初めて柔道大会で優勝したこと。

あれは嬉しかったなー!

確かに嬉しい思い出はあるんだけど、あまりロマンチックな恋の記憶はあまりない。
お、女の子としてはヤバいのかもしれないなぁ。

「ご、ゴメン。初恋相手っていないかも」

「え〜!?そんなっ!?(自分じゃなかったからショック)」

黒名の言う通り、私はあんまり経験豊富の方じゃないから。

「何言ってんの、アンタいるじゃん」

「へ?」

「え!?黒ネェそれマジっ!?(チャンス到来)」

ぇえ、いましたっけ!?///



「田沢先輩が」