ここは天才ばかりが通う学校、『佐藤学園』。

皆が憧れる見知らぬ世界が広がっている、素晴らしい所―――――

そんななかで、学園一の秀才。

ともに礼儀正しく、生徒から絶大な好意を得ている一人がいた。

名は―――――



「ばーか、ばーか!蜜のばーか!!」

な、名は・・・

「うるせー!私より9歳も年下のくせにぃいー!!!」

・・・どうも初めまして、私がその学園一の秀才。





こ、香花・蜜(こうばな・みつ)、15歳です。





 HONEY HUNTER
  プロローグ


また近所のくそガキに砂かけられた・・・

「おニューの靴なのに、入っちゃったじゃんかよぉー・・・」

私は靴を脱ぎ砂を取り出した、あーあー靴下にも付いてやんの。
ほぼこれって毎日されてるよなぁ・・・?

「はぁ」

いつもの涙を手で拭き、私はまた路地を歩き始めた。

ぇ、こんなやつが学園一の秀才?
ち、違う違う。

うちの学校は全員が違う分野で『秀才』って呼ばれてるの。 
ちなみに私は『スポーツ秀才』。

授業の方は・・・まぁ、それなりにやりこなしてますけど?

「ったく・・・今日のテスト最悪・・・」

本当はここで言いたくはないけど、今日とった点は国語で64点。
正直、漢字憶えるの苦手なんだよね。

私は鍵をカバンから取り出し、ドアを開けた。


ガチャ


「ただいまー」

「おー、蜜。おかえりー」

おばあちゃんがエプロン姿で私の所までくる、ご飯かな?

「今日はどっちの稽古すんの?」

「決まっとる、薙刀(なぎなた)の方を今日はみっちり鍛え―――――」


ダダダダダダッ


「ちょっとヒサノ!!なにを訳の分からぬ事を言っちょる!!今日はわしの番じゃと言ってるだろうっ!!」