―――どれだけ経ったのか、ふと我に返った私の耳には飽きもせずかかってきている電話の音が鳴り響いていた。 気付けば乾ききった両手から、バラバラと固まった血の塊がシーツの上に落ちる。 電話……誰から…? 幾度となくかかってくる電話に出ようと思い、そっと携帯電話に手を伸ばした。 液晶画面には『非通知番号』の文字。 ……何度もかけてくるなんて、知り合いなのだろうか? 一呼吸おいてから、仕方なく私は通話ボタンを押すことにした。 「……もしもし……」