僅かだけれど、よく見ると違う。 置かれている小物や、カーテンの色、食器の種類だって違う。 「同じアパートの、違う、部屋?」 そうだ、そうに違いない。 隣の部屋か、上か下か、そんなことは知らないが、とにかくここは私の部屋ではないんだ。 そう結論付けた瞬間、ほっとしてため息が出た。 ……とにかく一度、自分の部屋へ。 私は玄関のドアに手を掛けた………。