………
「うわぁーー三枝、キザ過ぎ…」
長月は嫌味なニヤけ顔で言った。
「とんがってんなぁ」
山地も動揺だ。
「……過去の事なんだからイイだろ」
ーーー………その後、俺達は装飾の仕上げを終えて、高円寺の言った通り早めに解散となった。
相変わらず途中から、俺と長月と高円寺の三人で帰る。
そして、いつもの分かれ道。
「今日も千広送ってってよ」
「ん?あぁ」
「じゃね!夏葉」
「ばいばーいっ」
…………
「あの時も三枝君に助けてもらったんだよね」
高円寺は前を見詰めたまま言う。
「助けたって言うのか?」
「そうだよっ!!祭りではぐれた時だってそうだし!」
「そんな事もあったなぁ」
俺と高円寺は笑い合った。
他愛のない話しは高円寺の家が近付くまで続いた。
「でも、あの時も格好良かったなぁ…」
「誰が?」
「三枝君だよっ!」
「そうか?」
「うん!!いつも三枝君には助けてもらってばっかりだね…」
「いいさ。別に。たまたま偶然が重なっただけだし」
「……」
暫く沈黙が続く。それに俺は何故か違和感を感じた。

