「おはよう、ええと…」


優はすでに西根さんの名前を覚えていなかった。

もう少し、印象づけておいた方が良かったのだろうか。


次第に、西根さんの笑顔は固くなっていく。


「こっちは、俺の彼女のカナ」

「ども~カナって呼んでください」


にっこり笑って挨拶される。

つられて俺たちも会釈する。


「どうもー」

「あ、どうも」


その手はずっとつないでいる気なんだろうか…と思っていたら、あっさり外れ、カナの腰に回される。


「どうだ!対抗してやったぞ!!」

「何をだよ」