琴音が振り返ると、そこには今朝みたばかりの顔、速水誠一の姿があった。

速水も琴音の顔を見て一瞬怯んだ。

「お、速水お疲れー」

何もしらない藤本は呑気に手を振っている。

「珍しく仕事してるみたいだね」

速水はまた冷静になると藤本に返事を返す。

「そーなんだよ。皆仕事仕事ってうるさくて」

「そう、せっかく仕事してるところ悪いんだけど、彼女はお咎め無し、だよ」

「はぁ?

そりゃまた、どーして」