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夏休みも終わり、気分はガタ落ちだ。


結局、甲子園も、東高校と闘って優勝した学校は1回戦敗退。



優勝高は、全然知らない学校だった。



「大体よー、翔林はよーキャッチャーがダメダメなんだよ!」


体育館で行われた始業式も終え、あたしと陸は教室に戻るところだった。



「しょうりん…?翔林…、あぁ!予選で優勝したとこね」


「…忘れてたんかい」



いやー。

記憶力、悪いものでね。



「キャッチャー酷い!俺なら、あんなキャッチャーにどうこう言われたぁないね」


「そんなに言うなって…」



叫びまくる陸の肩をポンポンッと叩く。


予選で怪我を負った陸の指は、全治2週間。


あたし、骨折なんてしたことないから、全治2週間が重症なのか、軽症なのかさえもわからない。



「あ、知ってた?陸。今日転入生が来るらしいんだ」


「え、まじで?女?男?」


「そこまでは…。ってか、転入生が来るって聞いただけで、学年、性別、全くわかんない」


「へぇ…」


陸はあまり興味なさそうだ。



彼はやはり、野球にしか興味がないようだ…。